「同調圧力」と「健康な自己肯定感」

中日新聞のコラム「紙つぶて」に精神科医の水島広子さんが書かれていることが印象に残りました。(水島さんのコラムを取り上げるのは2回目です)

コロナが流行りだしてから「同調圧力」という言葉をよく聞くようになりました。
コロナ禍の最初の頃、「店を開けるな」「外出するな」と、多数派の考えや行動に一方的に従えとプレッシャーをかけ、「自粛警察」「マスク警察」という言葉まで生まれ、店には落書き、張り紙、SNSでの悪評、感染者家族は引っ越しを余儀なくされるという事態にまで陥ることがありました。
その考えが正しいかどうかは別問題として、私(達)の意見に同調しろという強い圧力をかける事が同調圧力です。

「赤信号みんなで渡れば怖くない」も、皆同じ行動ならば大丈夫だという心理をついたものですが、同調圧力は、これとは違って、より、ネガティブな理由、感情から生まれていると思います。

同調圧力をかける方も、それに従う方も必要以上に「皆一緒でないと怖い」と世間(=他者)を気にしているのだと思います。
自分に自信がなく皆が一緒でないと怖いから圧力をかけて、他者を味方につける、そして、まわりと同じ行動ができない人間とレッテルを貼られ、仲間や世間から排除されるのが怖く、自分も同調圧力をかける側になってしまうという構造でしょうか?

これが進むと戦時中の全体主義につながるようで、とても危険な予感がします。(いや、世の中、すでに大衆の心は見えない号令にだんだん従わされているのかもしれないですが・・・)

水島さんは、同調圧力に負けないためには、「健康な自己肯定感」が必要だとおっしゃっています。そこで、健康な自己肯定感とは何か?と自分なりに考えてみました。

それは、「他者を受け入れながら、同時に自分自身をしっかり持っている事」ではないかと解釈しました。
・自分を信じて、自分の考え、意見をしっかり持つこと
・自分の意見と違う他者の意見も当然あることを理解し、安易に批判したり責めたりしないこと
・その上で今一度、自分の意見、考えを見つめ直すこと
さらには、正しい気づきをくれた他者には感謝ができるようになると素晴らしいと思いました。

私も同調圧力に無縁な人生を歩みたいと思いました。